映画「田園の守り人たち」公式サイト » Interviews

Q この映画のために、あなたは著名な俳優たちで見事な配役をしましたね。ナタリー・バイのように以前も一緒に組んだことがある人たちはもちろん、驚きだったのは、オルタンスに雇われた働き手フランシーヌ役を演じる新人のイリス・ブリーです。彼女の演技は並外れて素晴らしいだけでなく、観客は、フランシーヌが主人公なのだということを次第に理解していきます。
A フランシーヌが少しずつ重要な存在になっていくというのは本当だ。これは脚本家ではなく、監督が選んだことだったんだ。脚本監督がいて、撮影監督がいて、編集監督がいる。僕は撮影監督だ。映画には魂があると信じるなら、その魂が語り出すのを待たなければいけない。そして、その声に耳を傾け、それに従う覚悟がないといけないんだ。僕がイリスを見たとき、その存在感に圧倒された。だから僕は、彼女に与えられて当然のスペースを与えたんだ。彼女のおかげで、フランシーヌは20世紀初頭の女性になったんだよ。

彼女を見つけるために、無名の人物や新人を対象にキャスティング・セッションを始めた。僕は、1910年代の農民を演じる人を探していたんだ。前腕にタトゥーを入れていて、おべんちゃらを言う女優みたいなのは嫌だった。ある日、キャスティング・ディレクターであるカレン・オトワが、運よく本屋のドアのところでイリスに出くわしたんだ。カレンは彼女を引き止めて、スクリーンテストを受けてみないかと誘った。ほんの数秒の出来事だったんだよ。そのちょっと前でも、ちょっと後でもこの出会いはなかっただろう。その軌跡あなければイリスは映画に出演することはなかったんだ。

Q あなたはいつも戦争映画に関心をお持ちでした。けれどもこの作品は、それとは異なったものですね。この作品の中では背景としていくつかの戦闘を見せています。それもほとんどが夢の中で起こります。
A 僕は、『シェルブールの雨傘』は本物の戦争映画だと思っているんだ。戦争自体は見せないけれど、直接戦争に関わらない人たちに及ぶ戦争の影響を見せた。僕はいくらか死体も見せたいと思った。ジョルジュの夢のシーンを撮った時、彼が夢の中で自分自身と戦っていることについに気づく場面があるんだけど、僕は、地面に横たわっている死体を撮るようにカロリーヌ・シャンプティエに頼んだんだ。僕の編集者で妻でもあるマリー=ジュリー・マイユと僕は、それを冒頭のシーンにすることに決めたんだよ。そのシーンには音がなく、どこか優しさがあるんだけれど、それと同時に、言わなければいけないことをはっきりと言っている。それはジャン・ドゥーシェの教訓の一つなんだ。「映画のテーマは、最初のコマのいくつかに現れるべきだ」ってね。
Q デジタル撮影をすることに決めた理由にはどのようなものがありますか?
A 一般的に言えば、僕は新しいテクノロジーで実験するタイプではない。むしろ映画自体に集中したいんだ。けれども、今度はトライしてみようと思ったんだよ。そのおかげでテイクの時間を超えて好きなだけ長く撮ることができ、驚くほべき結果を得られた。映画の最後に見せるフランシーヌの微笑みは、撮影の最後にイリスがスタッフに見せた微笑み以外の何物でもないんだよ。フィルムだったらそれを捉えることはできなかっただろうね。
Q ミシェル・ルグランと一緒に仕事をするのは、『チャップリンからの贈り物』に続いて2作目ですね。
A 僕にとっては、ミシェルと一緒に仕事ができるのはとても幸運なことなんだ。そして僕らは友達になった。この映画では、彼が映画を見てから音楽が必要かどうかを決めることにしたんだよ。そして、フランシーヌの役は音楽があったらいいということがわかった。そして彼女のためのテーマを探した。特にドルメン(巨石の遺跡)でのラブシーンのためにね。